このページの要点
- 聞く項目は、利用目的の達成に必要な範囲に絞る。他社の質問票の流用や、念のための項目の追加は避ける。
- 申告の不備は、損害賠償の場面で過失として考慮されるが、責任が当然に全部なくなるわけではない。全部を利用者に負わせる書き方は、消費者契約法8条の問題になりうる。
- 質問票は聞いて終わりにしない。当日の様子で気づいた事情の確認と、提供を見合わせる手順を書面に置く。
- 病歴・服薬などは要配慮個人情報に当たりうる。取得の同意、利用目的の明示、保管と廃棄の方法まで決めておく。
結論:質問票は「聞きすぎない」「本人任せにしない」「取った情報を守る」の3点で設計する
施術、体験、教室、預かりなど、利用者の体の状態や持ち物の状態がサービスの安全に影響する場面では、事前に健康状態などを書いてもらう質問票を使うことが一般的です。そこでよく出る疑問は、「申告漏れや虚偽の申告があったとき、結果を本人の責任にできるのか」と「どこまで聞いてよいのか」の2つです。
結論から言うと、申告の義務を定めること自体は合理的ですが、申告の不備の結果をすべて利用者に負わせる書き方には限界があります。また、病歴や服薬の状況のような情報は、個人情報保護法の「要配慮個人情報」に当たりうるため、聞く項目を絞り、取得の同意と保管の方法まで設計しておく必要があります。設計の要点は次のとおりです。
- 聞く項目は、サービスの提供に影響する事情に絞る。「念のため」で増やさない。
- 申告義務と、不備や虚偽があったときの結果を書く。ただし、結果の全部を利用者に負わせる書き方は避け、事業者が確認すべきことを確認しなかった場合は別に扱う。
- 質問票は「聞いて終わり」にしない。当日の様子で気づいたことを確認し、必要なら見合わせる権限を、あらかじめ書いておく。
- 病歴・服薬などは要配慮個人情報に当たりうる。取得することへの同意、利用目的の明示、保管と廃棄の扱いを決める。
- 子どもの場合は、保護者が記入し、保護者が責任を持って申告する形にする。
このページは、質問票という書面の設計に絞って説明します。サービスを受けてよいかどうかの医学的な判断は、事業者の側で下せるものではありません。質問票の回答から病名を推測したり、体の状態を診断したりする設計にしないことが前提です。この点は医療の同意との違いのページで扱っています。免責条項側の書き方は免責条項の書き方の例のページ、リスクの説明そのものの作り方はリスク説明書の作り方のページにあります。
質問票の項目の絞り方:目的から逆算する
質問票を作るときに最初にすることは、「何のために聞くのか」を決めることです。聞く目的は、大きく3つに分かれます。サービスを安全に提供できるかを判断するため、提供の仕方(強さ、時間、用具)を調整するため、緊急時に適切に対応するためです。この3つのどれにも当たらない項目は、聞く理由がありません。
聞く項目を絞る必要は、法律の面からも出てきます。個人情報保護法は、特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱うことを禁じています(18条1項)。取得する項目の数そのものを直接制限する条文ではありませんが、利用目的を特定したうえで(17条1項)、その目的に必要な範囲で取り扱うことになるため、目的に必要な項目に絞った設計が自然な形になります。聞いた情報を使わないのに保管し続けることも、後で述べる保管と廃棄の問題を生みます。
質問票の項目の例と、聞く理由・聞き方
| 項目の種類 | 聞く理由 | 聞き方の注意 |
|---|---|---|
| 当日の体調 | その日にサービスを提供してよいかを判断するため。 | 「当日の体調に不安がありますか」のように、広く聞き、詳しい内容は本人が話せる範囲にとどめる。 |
| 現在の症状・通院中の事情 | サービスの内容によっては、提供の仕方に影響するため。 | 病名を聞く必要があるのか、「通院中か」だけで足りるのかを検討する。必要な範囲だけにする。 |
| 過去の反応・アレルギー | 同じサービスや使う物品で過去に反応があった場合に、避けるため。 | 使う物品の範囲に絞って聞く。使わない物質のアレルギーまで広げない。 |
| 服薬の状況 | サービスの提供に影響し得る場合のみ。 | 必要な場合のみ聞く。薬の名前まで必要か、「服薬中か」で足りるかを検討する。 |
| 妊娠・授乳など | サービスの内容によっては、提供の仕方を変えるため。 | 必要な場合のみ聞く。聞く理由を質問票に書く。 |
| 緊急連絡先 | 利用中の事故に備えるため。 | 利用者本人の連絡先に加え、連絡が取れない場合の連絡先を、任意で書いてもらう。 |
表の項目は、サービスの内容によって、必要なものと不要なものが変わります。同じ項目でも、あるサービスでは必要で、別のサービスでは不要です。質問票は、他の事業者の質問票を流用せず、自分のサービスの危険に即して作ります。流用した質問票には、自分のサービスに関係のない項目が含まれ、反対に、必要な項目が抜けることがあります。
質問の仕方にも工夫が要ります。自由記述で「持病があれば書いてください」とすると、利用者は不必要に詳しく書くこともあれば、何も書かないこともあります。選択式にして、「該当する」「該当しない」「分からない・確認したい」の3択にすると、回答の質がそろい、事業者が確認すべき点も見つけやすくなります。「分からない」という選択肢を設けることで、利用者に無理に判断させず、事業者が追加で確認する流れにできます。
申告義務の書き方と、虚偽・不備のときの結果
質問票とあわせて、同意書には「正確に申告する義務」と「申告に不備や虚偽があった場合の結果」が書かれていることが多くあります。実務でよく見られる例として、「申告に不備または虚偽があった場合に生じた一切の結果は、自己の責任とし、事業者に対して何らの請求も行わない」という趣旨の定めがあります。
この書き方は、事業者にとって都合のよい整理に見えます。しかし、そのまま有効に機能するとは限りません。理由は3つあります。
- 「一切の結果」が、申告の不備と因果関係のない結果や、事業者の過失で生じた結果まで含むと読まれると、事業者の損害賠償責任を全部免除する条項として、消費者契約法8条1項1号・3号により無効となりうる。
- 申告の不備がある場合でも、事業者が確認すべきことを確認していなかった、当日の様子から異変に気づけたのに対応しなかった、といった事情があれば、事業者の責任が問題になる。責任の有無と程度は、個々の事情によって決まる。
- 損害賠償の場面では、利用者の側に過失があれば、その過失を考慮して賠償の額が定められる(債務不履行について民法418条、不法行為について722条2項)。利用者の申告の不備は、この過失相殺の中で考慮される。つまり、申告の不備があっても、責任が当然に全部なくなるのではなく、事案に応じて責任や額が調整される。
申告義務の定めは、「利用者が申告しなかった事情については、その事情を前提とした責任を負わない」という整理にとどめると、有効になる範囲が明確になります。事業者は、申告された内容を前提に安全に提供する義務を負い、申告されなかった事情による結果については、申告されなかったことに因果関係のある範囲で、事業者の責任が限定される、という考え方です。
書き方の例(一般的な例) 申告義務の書き方
申告の不備の結果
理由申告の不備との因果関係を要件にし、事業者の確認の不備を除くことで、責任の全部を免除する形を避けられる。重大な過失を除く点は、一部免除の条項の無効の判断でも意味を持つ。
申告の内容の更新
理由利用者任せにせず、事業者が毎回尋ねる運用にすると、申告の機会が確保され、事業者の確認も記録に残る。
申告と責任の関係で押さえる条文
民法418条
債務の不履行またはこれによる損害の発生・拡大に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任およびその額を定める。
働き契約上の責任の場面で、利用者の申告の不備が、責任の有無や額に影響しうる根拠になる。
民法722条2項
被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
働き不法行為の場面で、利用者の過失が賠償額に影響する根拠になる。責任そのものがなくなるわけではない。
消費者契約法8条1項1号・3号
事業者の債務不履行または不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項は、無効とする。
働き申告の不備を理由にして、結果の全部を利用者に負わせる書き方が、この条文にかかるかどうかが問われる。
事業者側が気づける事情と、確認の義務
質問票の最大の落とし穴は、「聞いたから終わり」という運用です。事業者は、質問票の回答だけでなく、当日の利用者の様子から、サービスを提供してよいかを判断できる立場にあります。顔色が悪い、動きがぎこちない、質問票に書かれていない症状を口にしている、といった事情に気づいたとき、事業者は何もしなくてよいのでしょうか。
この問いに対する答えは、サービスの内容によって異なります。ただ、一般に言えるのは、質問票があることで、事業者の確認の必要がなくなるわけではないということです。事業者が気づけた事情を見過ごして提供し、結果が生じた場合、質問票に不備があったことは、利用者の過失として考慮されうるにとどまり、事業者の責任がなくなる理由にはなりません。
質問票を受け取ってからの確認の流れ
どの段階でも、判断の理由を記録に残します。見合わせた場合は、その旨と、再開の条件を利用者に伝えます。
事業者が確認すべきことを、書面の中であらかじめ宣言しておくこともできます。「事業者は、申告内容および当日の様子から、サービスの提供が適切でないと判断した場合、提供を見合わせ、または内容を変更することができる」という定めです。この定めは、事業者の裁量を広げる意味と、確認する立場にあることを示す意味の両方を持ちます。
書き方の例提供の見合わせに関する定めの例
- 事業者は、利用者の申告内容および当日の様子から、本サービスの提供が適切でないおそれがあると判断した場合、利用者に理由を説明したうえで、本サービスの提供を見合わせ、または内容を変更することができる。
- 前項の場合、事業者は、利用者に生じた費用の取扱いについて、別に定めるところにより対応する。事業者は、前項の判断に際し、利用者の申告内容を確認する努力を怠らない。
- 利用者は、体調の変化その他本サービスの利用に影響する事情が生じたときは、利用の途中でも、直ちに事業者に伝える。
医学的な診断を示す表現を避け、「適切でないおそれ」といった、提供の可否に関する表現にとどめています。費用の取扱いは、サービスの性質により別に定めます。
見合わせた場合の費用の扱いも、あらかじめ定めておきます。事業者の判断で見合わせたのに全額を負担させる書き方は、消費者契約法10条の問題にもなりえます。利用者の申告の不備が原因の場合と、事業者の判断による場合とで、扱いを分けておくと整理しやすくなります。免責の線引きの考え方は消費者契約法8条・10条のページにまとめています。
病歴や服薬は要配慮個人情報:取得の同意と利用目的
質問票に書かれる病歴、服薬の状況、症状などの情報は、個人情報保護法の定める「要配慮個人情報」に当たりうるものを含みます。要配慮個人情報とは、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他、本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないように取扱いに特に配慮を要するものとして政令で定める記述等が含まれる個人情報をいいます(2条3項)。どの記述がこれに当たるかは、政令で定められており、質問票の項目ごとに確認が必要です。
健康状態の申告に関わる個人情報保護法の条文
2条3項
要配慮個人情報の定義。病歴などが含まれる。
働き質問票の項目のうち、どれが要配慮個人情報に当たりうるかを、政令とガイドラインで確認する。
17条1項
個人情報取扱事業者は、利用目的をできる限り特定しなければならない。
働き「サービスの安全な提供のため」「緊急時の対応のため」のように、質問票の項目ごとに目的を特定する。
18条1項
あらかじめ本人の同意を得ないで、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱ってはならない。
働き質問票を集めた目的以外(広告への利用など)に使わない。使うなら別の同意を取る。
20条2項
法令に基づく場合などの例外を除き、あらかじめ本人の同意を得ないで、要配慮個人情報を取得してはならない。
働き要配慮個人情報に当たる項目を聞く前に、取得についての本人の同意を得る。
21条2項
契約書その他の書面に記載された本人の個人情報を直接書面から取得する場合は、あらかじめ、本人に利用目的を明示しなければならない(緊急に必要な場合を除く)。
働き質問票に、利用目的を書いておく。質問票の記入前に目的が分かるようにする。
例外(20条2項各号)には、人の生命・身体・財産の保護のために必要で、本人の同意を得ることが困難なときなどがあります。通常の質問票の運用は、本人の同意を得て取得する形です。
実務的には、質問票の冒頭または末尾に、取得についての同意欄を設けます。注意するのは、同意書全体への署名で包括的に同意したことにしないことです。要配慮個人情報を取得することへの同意は、どの情報を、何のために取得し、どのように扱うのかが分かる形で得る必要があります。署名欄と別に、チェック欄を設ける、または質問票の記入そのものを同意の行為と位置付けて、その旨を質問票に明記する方法があります。
書き方の例要配慮個人情報の取得に関する記載の例
- この質問票には、病歴、通院や服薬の状況、症状など、取扱いに配慮を要する情報が含まれます。
- 取得した情報は、本サービスを安全に提供するための判断、提供の仕方の調整、および緊急時の対応の目的に限って利用します。広告や統計の目的には利用しません。
- 記入は任意ですが、記入いただけない場合は、本サービスの全部または一部を提供できないことがあります。上記の内容を確認し、記入することに同意します。 □同意する
利用目的は、運用の内容に合わせて書きます。目的を広げる場合は、広げた目的についても明示と同意が必要です。
質問票の保管・廃棄・第三者への提供:取ったあとの扱い
質問票は、記入してもらった後の扱いも設計に含まれます。個人情報保護法は、利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去する努力を求め(22条)、取り扱う個人データの漏えい、滅失、毀損の防止のために必要かつ適切な措置を講じることを求めています(23条)。質問票の場合に具体的に決めておくことは、次の点です。
- 保管の場所と方法。紙の質問票は、他の利用者の目に触れない場所に保管する。タブレット入力の場合は、画面を次の利用者が見られない運用にする。
- 保管の期間。サービスの提供が終わってから一定の期間を、あらかじめ決める。期間を過ぎたものは、廃棄する。
- 廃棄の方法。紙はシュレッダーなど、復元できない方法で。電子データは、バックアップも含めて消去する。
- 閲覧できる人の範囲。サービスを担当するスタッフに限り、他のスタッフが目的なく見ない運用にする。
- 第三者への提供の範囲。個人データを本人の同意なく第三者に提供することは原則として禁じられている(27条1項)。緊急時に救急に情報を伝える場合など、人の生命・身体の保護のために必要で、本人の同意を得ることが困難なときは、例外が定められている(27条1項2号)。
保管の期間は、短ければよいというものでもありません。サービスの提供後に利用者から問い合わせや請求があった場合に備え、質問票は、事故や紛争が起きたときの説明の根拠になります。長く持ちすぎることと、すぐに捨てることのどちらにもリスクがあるため、保管する理由と期間をセットで決めておくことが大切です。同意の記録の取り方や、保管と廃棄の考え方は説明と同意の記録のページとあわせて確認してください。
子どもが利用するサービスで、保護者が質問票を記入する場合は、記入者が保護者であることを質問票に明記します。保護者の署名の効力の範囲と、親権者の確認については未成年者の参加と親権者の同意書のページで扱っています。高齢の利用者などで、家族が代わりに記入する場合は、本人の意思が確認できているのかを、記入者との関係とあわせて記録しておきます。
利用の途中で状況が変わったとき:途中の申告と記録
質問票は、利用の開始時点の状況を聞くものです。利用の途中で体調が変わる、通院を始める、服薬が変わる、といったことは、継続的なサービスではむしろ当然に起こります。開始時の申告だけに頼ると、申告された内容と現実の状態との間に差が生まれ、その差が事故の原因になることがあります。
途中の変化に対応する運用として、次の3つの形があります。第一に、利用のたびに、前回からの変更の有無を尋ねる。第二に、一定の期間ごとに、質問票を書き直してもらう。第三に、利用者が、変化が生じたときに自分から伝えるよう、書面で求めておく。第三の形だけでは、利用者の記憶と自覚に頼ることになり、変化に気づいていない場合に機能しません。できる限り、第一または第二を併用します。
尋ねた事実と回答は、簡単な形で記録します。記録は詳細である必要はありませんが、「いつ、誰が、何を尋ね、どう回答されたか」が分かる形にします。記録があることで、事業者が確認義務を果たしていたことを示せます。反対に、記録がなく、毎回口頭で聞いていたと主張しても、後から裏付けにくくなります。記録は、利用者の個人情報としての扱いを受けるため、質問票と同じ保管と廃棄の規律に従わせます。
利用者が回答を変えた場合の扱いも、決めておきます。以前の回答と今回の回答が食い違うときは、どちらが正しいかを確認し、記録を更新します。以前の回答を黒塗りにしたり破棄したりせず、変更の履歴が分かるようにしておくと、後で経過を説明できます。個人情報保護法は、利用目的の達成に必要な範囲内で個人データを正確かつ最新の内容に保つ努力を求めており(22条)、更新の運用はこの考え方にも沿います。
確認の問いと理由質問票を確認するときの問い
すべての質問項目に、聞く理由を説明できますか。
説明できない項目は、削る候補になる。目的を超えて取得すると、取得の適正さが問われる。
要配慮個人情報に当たりうる項目に、取得の同意を取っていますか。
病歴などを同意なしに取得することは、原則として許されない。署名欄と別に、同意の確認欄を設ける。
申告の不備の結果を、すべて利用者に負わせる書き方になっていませんか。
全部免除の形は、消費者契約法8条の問題になりうる。因果関係と、事業者の確認の不備を考慮した書き方に整える。
当日の様子に気づいたとき、提供を見合わせる手順がありますか。
手順がないと、現場の判断がまちまちになり、気づいたのに対応しなかったと評価されるおそれがある。
保管の期間と廃棄の方法は決まっていますか。
決めていないと、不必要に長く持ち続けるか、必要なときに残っていないかのどちらかになる。
起きがちなこと:質問票・申告をめぐる場面
質問票・申告で起きがちなこと
- 他社の質問票を流用したため、自分のサービスに関係のない項目が多く、必要な項目が抜けていた。
- 質問票に「ない」と書かれていたが、当日の様子から異変が見えていた。気づいたのに確認しなかったことが、後で問題になった。
- 「申告の不備による一切の結果は自己責任」と書いていたため、事業者の確認の不備まで含むと読まれ、条項の有効性が争われた。
- 病歴や服薬を、同意書への署名だけで取得していた。要配慮個人情報の取得の同意として足りるのかが疑われた。
- 質問票を受付の机に置いたままにしていた。他の利用者の目に触れ、苦情になった。
- 保管の期限を決めておらず、サービスの提供が終わった後も、ずっと保管されていた。
- 子どもの質問票を、保護者でない付添いの人が記入していた。記入者の立場が、後で整理できなくなった。
よくあるご質問
質問票で、病名や服薬の名前まで聞いてもよいですか?
サービスの安全な提供に必要な範囲であれば、聞くこと自体は可能です。ただし、病歴や服薬は要配慮個人情報に当たりうるため、取得する本人の同意を得て、利用目的を明示します。病名まで必要なのか、「通院中か」「服薬中か」で足りるのかを、サービスの内容に即して検討し、必要な範囲に絞ることが大切です。
利用者が虚偽の申告をした場合、事業者は責任を負いませんか?
当然には負わないとは言えません。申告の不備は、損害賠償の場面で利用者の過失として考慮され、責任や額が調整されることがあります。ただし、事業者が確認すべきことを確認しなかった場合や、事業者に過失がある場合は、事業者の責任が問題になります。全部を利用者に負わせる書き方は、消費者契約法8条の問題になりえます。
質問票は、毎回書いてもらう必要がありますか?
毎回すべてを書き直してもらう必要はありませんが、体調や服薬の状況は変わりうるため、利用のたびに、前回からの変更の有無を尋ねる運用が適しています。尋ねた事実と回答を、簡単に記録しておきます。
質問票は、いつまで保管すればよいですか?
法律で一律の期間が決められているわけではありません。個人情報保護法は、利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去する努力を求めています。紛争への備えと、情報を持ち続けるリスクのバランスを見て、保管の理由と期間を決め、期間を過ぎたら廃棄します。
質問票への回答を拒否された場合は、サービスを断ってもよいですか?
記入が任意であることを示したうえで、記入がなければ安全にサービスを提供できない場合は、提供できない旨をあらかじめ書いておけば、断ることは可能です。断る理由と、記入がなくても提供できる範囲があるのかどうかを、質問票と同意書に明記しておくとよいでしょう。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の書面への当てはめは、サービスの内容や参加者の状況によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、契約書作成の実務の経験をもとに一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や書面を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会 / 厚生労働省