免責条項の書き方の例:原因ごとに責任を分ける

免責を強く書くほど、無効になったときの失うものも大きくなります。全部免責をやめ、原因ごとに責任の置き場所を分け、事業者の義務を併記する書き方に整えます。

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「結果に異議を述べない」「いかなる請求も行わない」と並べるほど、書面全体の信頼性は下がります。

このページの要点

  • 全部免責を、範囲と上限を定める書き方に置き換える。上限には故意・重過失を除く旨を明記する。
  • 通常の反応・申告漏れ・指示違反・第三者・不可抗力を分け、通常の反応は程度の目安を書く。
  • 人身の損害は財産の損害より免責を弱く書き、事業者の確認・説明・緊急時対応の義務を併記する。
  • 条項を独立した単位に分け、読み替え条項は補助にとどめる。

結論:「全部免責」ではなく、原因ごとに責任の置き場所を分けて書く

免責条項を、有効に残りやすい形に整える基本は、一つの文で責任を全部免れさせるのをやめて、事故の原因ごとに、誰が責任を負うかを分けて書くことです。通常想定される反応、利用者の申告漏れ、指示違反、第三者の行為、不可抗力、そして事業者自身の落ち度。これらは事故の原因として性質が違い、責任の置き場所も違います。原因を分けて書けば、事業者が負わなくてよい場面は明確になり、事業者が負う場面は、法律の制限に触れない形で残せます。

多くの契約書で見られる傾向として、免責の定めは、「故意または重過失がある場合を除き、一切の責任を負わない」「結果について異議を述べない」「いかなる請求も行わない」といった包括的な形になりがちです。包括的な書き方は短くて強く見えますが、消費者契約法8条・10条の制限に触れやすく(消費者契約法で無効になる免責の書き方)、無効になると何も書いていないのと同じになるおそれがあります。

  • 全部免責の書き方をやめ、損害賠償の範囲や上限を定める形に変える。上限には、故意・重過失の場合を除くことを明記する。
  • 通常の反応、申告漏れ、指示違反、第三者の行為、不可抗力、事業者の落ち度を、原因別に分けて責任を書く。
  • 人の身体に関する損害と、財産に関する損害は、免責の強さを変えて書く。
  • 免責だけを書かず、事業者が負う義務(確認、説明、緊急時の対応)をあわせて書く。
  • 一部が無効とされても、書面全体が働くように、条項を独立した単位に分けておく。

書面の種類と役割は免責同意書・参加同意書・リスク説明書の違い、リスクの説明の作り方はリスク説明書の作り方で整理しています。このページは、免責条項そのものの文例に絞ります。条文例は、特定の書面を写したものではなく、一般に見られる書き方を整理した例です。

全部免責から、範囲を限定した書き方へ

最もよくある書き方と、整えた書き方を並べます。ポイントは、「責任を負わない」と言い切る部分を、「責任を負う範囲を定める」形に置き換えることです。

書き方の例(一般的な例) 免責の基本形の書き換え

責任の全部を免れさせる

よくある書き方「当方は、本サービスに関して生じたいかなる損害についても、一切の責任を負わない。」
整えた書き方「当方は、本サービスの提供にあたり、通常求められる注意を尽くす。当方の責めに帰すべき事由により利用者に損害が生じたときは、当方は、第○項に定める範囲でその損害を賠償する。」

理由全部免除は8条1項の無効の対象。責任を負う場合を認めたうえで、範囲を定める形にすれば、無効の型から外れる。

故意・重過失だけ例外にする

よくある書き方「故意または重大な過失がある場合を除き、当方は一切の責任を負わない。」
整えた書き方「当方の故意または重大な過失による場合を除き、当方が賠償する範囲は、通常生ずべき損害に限り、かつ、○○を上限とする。」

理由「一切の責任を負わない」を、「賠償の範囲と上限」に置き換える。重過失を除く旨は明記し、3項の観点を満たす。

結果への異議を封じる

よくある書き方「利用者は、結果について、一切の異議を述べない。」
整えた書き方「利用者は、別紙に記載した事項(通常想定される反応)について、説明を受けたことを確認する。この範囲の反応が生じたことのみを理由として、当方に責任を問うことはしない。」

理由異議の全面封じは、10条の観点で問題になりうる。範囲を、説明した通常の反応に限る。

返金を封じる

よくある書き方「サービスの結果に満足できなくても、返金その他の請求を一切行わない。」
整えた書き方「サービスの効果には個人差があり、一定の結果を保証するものではないことを確認する。ただし、当方がサービスを約束どおり提供しなかった場合の対応は、契約書の定めによる。」

理由当方の債務不履行による解除や返金を放棄させる書き方は、8条の2の観点で問題になる。効果の非保証の確認と、契約上の対応を分ける。

どの書き換えも、共通点は「何についての責任を、どの範囲で、誰が負うのか」を文の中で特定していることです。範囲を特定することは、法律の制限に触れにくくするだけでなく、読む側にとっても分かりやすく、同意を取るときの説明もしやすくなります。

原因ごとに責任を分ける:五つの場面

事故の原因は、事業者の落ち度だけではありません。原因を分けて書くと、事業者が負うべき責任と、負わなくてよい責任の境界がはっきりします。次の表は、原因別の考え方を整理したものです。

原因別の責任の置き場所(一般的な整理)

原因書き方の方向注意する点
通常想定される反応事前に説明した範囲の反応が生じても、それだけでは事業者の責任を問わない旨を確認する「通常」の範囲を、別紙や説明書で具体的に特定しておく。範囲を超えた反応への対応も書く
利用者の申告漏れ・虚偽申告正確な申告を求め、申告が不正確だったことで生じた範囲の結果は、利用者の負担とする事業者側の確認義務を併記する。事業者が気づけた事情まで利用者に負わせる書き方は避ける(健康状態の申告と質問票)
利用者の指示違反指示に従わなかったことで生じた範囲の損害は、利用者の負担とする指示の内容が事前に明確に伝えられていたことが前提。指示した記録を残す
第三者の行為事業者の管理の及ばない第三者の行為による損害は、事業者の責任としない参加者同士の事故など、運営者が管理すべき場面は含めない(署名した人以外には効かない)
不可抗力天災や災害など、事業者の合理的な支配を超える事由による損害は、責任としない不可抗力の例を具体的に書く。事前の備えや、発生後の対応義務を併記する

書き方の例原因別に責任を分ける条項(一般的な例)

  1. 利用者は、本サービスに伴い、別紙に記載した反応が生じうることについて説明を受けたことを確認する。当該反応が、別紙に記載した程度の範囲内で生じた場合、当方は、そのことのみを理由とする責任を負わない。
  2. 利用者が、当方に対して健康状態その他の事項を申告するにあたり、事実と異なる申告をし、または重要な事項を申告しなかったことにより、損害が生じた場合、当方は、その申告の不備によって生じた範囲の損害について、責任を負わない。ただし、当方が申告の不備に気づき、または通常の確認によって気づくことができた場合は、この限りでない。
  3. 利用者が、当方の指示に従わなかったことにより、損害が生じた場合、当方は、その指示違反によって生じた範囲の損害について、責任を負わない。
  4. 当方の合理的な支配を超える事由(天災、災害、その他これに類する事由)により損害が生じた場合、当方は、責任を負わない。ただし、当方は、その事由が生じたときは、利用者の安全の確保のために必要な措置をとる。
  5. 前各項の定めは、当方の故意または重大な過失による場合には適用しない。

第2項と第4項に、事業者の側の確認と対応の義務を併記しています。免責だけを書くのではなく、事業者が果たす役割を同じ条項の中に置く書き方です。

「故意」「重大な過失」「過失」の言葉を、書面の中でどう使うか

免責条項には、「故意」「重大な過失」「過失」という言葉が登場します。この言葉は、書面の中で意味が揺れないように使うことが大切です。「重過失」「重大な過失」「重い過失」を混ぜて使うと、読む側がどれを指しているのか迷います。消費者契約法の条文は「重大な過失」という言葉を使っているため(8条1項2号・4号、3項)、書面の中でも「重大な過失」で統一しておくと、条文との対応が分かりやすくなります。

また、「軽過失」「軽い過失」という言葉は、法律の条文には出てきません。条文は「重大な過失を除く過失」という言い方をしています。書面の本文では、「故意または重大な過失による場合を除き」と書けば、軽い過失の場合に限る意味が明らかになります。あえて「軽過失」という言葉を使う必要はありません。事業者の側の言葉を、条文の言葉に寄せて整えることが、読み間違いを防ぎます。

書き方の例(一般的な例) 言葉の使い方

言葉の揺れ

よくある書き方「重過失がない限り」「重大な過失のある場合を除き」「過失が重い場合を除いて」を、条によって使い分ける。
整えた書き方「故意または重大な過失による場合を除き」に統一する。

理由同じ意味の言葉が複数あると、条どうしで範囲が違うと読まれるおそれがある。

「軽過失」の使用

よくある書き方「当方に軽過失がある場合に限り、○○を上限とする」
整えた書き方「当方の故意または重大な過失による場合を除き、○○を上限とする」

理由条文の言葉に合わせ、軽い過失に限ることが明らかな形にする。

「通常の反応」と「過失による結果」の線引きを書く

リスク説明書に多く見られるのは、「赤みやかゆみが生じる可能性があります」のように、反応を並べる書き方です。ところが、実際に反応が起きたとき、それが通常の反応なのか、事業者の落ち度による結果なのか、本人の体質や指示違反による結果なのかは、書面からは分かりません。線引きがないと、「説明は受けたが、それは責任とは別問題」という主張を排除できません。

線引きは、反応の程度と持続の目安で示すのが実務的です。たとえば、「通常、一定の時間内に自然に治まる程度の反応は、通常想定される反応とします。それを超えて続く場合や、悪化する場合は、直ちに申し出てください。当方は、必要な対応をとります」という形です。程度の目安を書くと、通常の範囲を超えたときに事業者がとる対応も、同時に書けます。

書き方の例(一般的な例) 通常の反応の書き方

反応の特定

よくある書き方「肌に赤みなどが出ることがあります。」
整えた書き方「施術後に赤みやかゆみが出ることがあります。通常は一定の時間内に治まります。それを超えて続くときは、直ちにお知らせください。」

理由通常の範囲の目安と、範囲を超えたときの連絡を書く。事業者の対応義務を同時に示せる。

責任の置き場所

よくある書き方「これらの反応について、当方は責任を負いません。」
整えた書き方「説明した程度の反応が生じたことのみを理由として、責任を問うことはしません。反応が説明した程度を超えるときは、原因を確かめ、必要な対応をとります。」

理由通常の反応だけを免責の対象にし、範囲を超えるものは事業者が向き合うことを書く。

人身の損害と財産の損害を書き分ける

身体への損害と、財産への損害は、免責を考える強さが違います。身体の損害は、回復が難しく、影響が大きいため、免責の範囲を狭くとり、事業者の責任を残すのが一般的な考え方です。財産の損害(持ち物の紛失や破損、貴重品など)は、範囲や上限を設けやすい傾向があります。

損害の種類による書き方の違い(一般的な整理)

損害の種類免責の強さ書き方の方向
身体・健康への損害弱く(事業者の責任を残す)通常の反応は確認にとどめる。事業者の落ち度による損害は免責の対象にしない
持ち物の紛失・破損比較的強く書ける貴重品は預からない、持ち物は自己管理、といった事前の取り決めを書く。事業者が預かった物は別扱い
時間・機会の損失範囲を限定して書ける遅延や中止の場合の対応を契約書で決め、同意書には書かない

身体の損害まで一括で免責する書き方は、消費者契約法8条の問題に加えて、公序良俗や信義則(同意書にサインがあれば責任を免れるか)の観点でも、効力が認められにくい方向に働くと考えられます。人身と財産の線引きを書面に反映しておくと、無効になりやすい部分を最小限にできます。

賠償の上限を定めるときの書き方

責任を全部免れさせる代わりに、賠償額に上限を設ける方法があります。上限の置き方によって、法律上の見え方が変わります。

賠償の範囲と上限に関する条文

  • 民法416条

    債務の不履行に対する損害賠償は、通常生ずべき損害の賠償をさせることを目的とする。特別の事情によって生じた損害も、当事者がその事情を予見すべきであったときは請求できる。

    働き「通常生ずべき損害に限る」とする書き方は、民法の原則に近く、消費者の権利を大きくは制限しない。

  • 民法420条

    当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。

    働き賠償額の予定は可能。ただし消費者契約では、8条・10条の制限を受ける。

  • 消費者契約法8条1項2号・4号・3項

    故意・重過失の場合の一部免除は無効。軽過失の場合の一部免除は、重過失を除くことを明らかにしていなければ無効。

    働き上限を定めるときは、故意・重過失の場合は上限が適用されないと明記する。

書き方の例上限を定める条項(一般的な例)

  1. 当方が本サービスに関して利用者に対して賠償責任を負う場合、その範囲は、通常生ずべき損害に限る。
  2. 前項の場合における当方の賠償額は、利用者が当方に支払った本サービスの対価の額を上限とする。ただし、当方の故意または重大な過失による場合は、この限りでない。
  3. 前項の上限は、利用者の生命または身体に生じた損害については、適用しない。

第3項は、身体の損害に上限を適用しない旨を明らかにして、人身の損害を上限の対象から外す書き方です。事業者の側の姿勢を示す効果もあります。

免責に「事業者が負う義務」を併記する

免責の条項が読まれるとき、事業者が何もしなくてよいという印象を与えると、10条の観点で不利になります。反対に、事業者が確認や対応の義務を果たすことが書かれていると、免責の範囲が、その義務を果たしたうえでの範囲だと分かります。

確認の問いと理由併記する義務の候補と、その理由

  1. サービスの前に、申告の内容と当日の状態を確認する。

    申告の不備を利用者の負担とするなら、確認を行うことを事業者の側の約束としておく。

  2. 異常を感じたときの申し出の方法と、中止の判断を伝える。

    利用者が安全に中止できる仕組みは、同意の内容を実質のあるものにする。

  3. 事故が起きたときの連絡先と、緊急時の対応の流れを示す。

    緊急時の対応が示されていると、事業者の責任の範囲を限定する条項の信頼性が上がる。

  4. 説明した内容と日時を記録に残す。

    説明の記録は、免責の条項より先に、事業者を守る証拠になる。

書き方の例事業者の確認・対応の義務を書く条項(一般的な例)

  1. 当方は、本サービスの提供の前に、利用者が申告した事項を確認し、当日の利用者の状態について必要な確認を行う。
  2. 当方は、本サービスの提供中に、利用者から異常の申し出があったとき、または当方が異常に気づいたときは、直ちに提供を中止し、必要な対応をとる。
  3. 本サービスに関して事故その他の事態が生じたときは、当方は、利用者の安全の確保を最優先とし、必要に応じて救護その他の措置をとるとともに、事実関係を記録する。
  4. 当方は、本サービスの内容、使用する機器または方法、注意事項に変更があったときは、利用者に説明し、必要に応じて改めて同意を求める。

これらの条項は、免責の定めと対にして置くものです。事業者の側の義務が書かれていると、免責の範囲が、義務を果たしたうえでのものだと読めます。

一部が無効になっても残る構造にする

免責条項は、どれか一つが無効とされる可能性があることを前提に、書面全体が働くように作っておきます。方法は三つあります。一つ目は、条項を独立した単位に分けること。一つの長い条文に全部を詰め込むと、一部の無効が全体の不安定さにつながります。二つ目は、説明の確認と免責の条項を分けること。説明の確認は、免責条項が無効になっても残る、書面の中核の部分です。三つ目は、書面の末尾に、一部が無効でも他の部分は有効とする旨を書いておくことです。

書き方の例一部無効の場合の条項(一般的な例)

  1. この同意書の一部の条項が、法令により無効または執行不能とされた場合でも、他の条項は、引き続き有効とする。
  2. 前項により無効とされた条項については、法令の許す範囲で最も近い効果を生じる内容に読み替えるものとする。

第2項のような読み替え条項は、サルベージ条項と呼ばれます。ただし、限定する範囲を条項の本体で明らかにしていない一部免除を、この種の条項で救えるとは限りません。条項の本体で範囲を限定することが基本で、読み替え条項は補助にとどめます。

サルベージ条項に頼りすぎると、「どこまで有効なのか」が読み手にも分からなくなり、かえって10条の観点や、消費者契約法3条の、平易で明確な条項にする配慮の観点で不利になることがあります。範囲を明確に書いたうえで、補助として置く、という位置づけを守ります。

書面全体の組み立ての例

ここまでの内容を、同意書全体の項目に並べると、次のようになります。各項目の中身は、サービスの内容に応じて決めます。

同意書の項目の並び(一般的な例)

説明の確認別紙の内容について説明を受け、質問の機会があったことを確認する
申告と指示正確な申告と、指示に従うことを約束する。事業者の確認も書く
反応と責任通常の反応の範囲、範囲を超えたときの対応、責任の置き場所
賠償の範囲範囲、上限、故意・重過失と人身の除外
位置づけ契約書との関係、一部無効、変更時の再同意

各項目は独立した条に分け、見出しで役割を示します。契約書との関係は同意書と契約書・規約・説明書の優先関係で扱います。

最後に、ここまでの考え方を一つの流れとして通して読めるように、責任に関する取り決めの部分だけを取り出した条文例を示します。これは一般的な整理のための例で、サービスの内容に応じて、範囲や言葉を調整して使います。

書き方の例責任に関する取り決めの通し例(一般的な例)

  1. 当方は、本サービスの提供にあたり、通常求められる注意を尽くすものとし、第○条に定める確認および対応を行う。
  2. 利用者は、別紙に記載した反応が、別紙に記載した程度の範囲内で生じた場合には、そのことのみを理由として当方の責任を問わない。当該反応が別紙に記載した程度を超える場合、当方は、原因を確かめ、必要な対応をとる。
  3. 利用者の申告の不備または指示の不遵守によって生じた範囲の損害については、当方は責任を負わない。ただし、当方が申告の不備に気づき、または通常の確認によって気づくことができた場合は、この限りでない。
  4. 当方が本サービスに関して利用者に対して損害賠償責任を負う場合、その範囲は通常生ずべき損害に限り、賠償額は、利用者が当方に支払った本サービスの対価の額を上限とする。
  5. 前各項の定めは、当方の故意または重大な過失による場合には適用しない。また、利用者の生命または身体に生じた損害については、第4項の上限を適用しない。

第2項から第4項までが原因別の責任の置き場所、第5項が除外と人身の扱いです。各項は独立して読めるように書き、一部が無効とされても、他の項が残る形にしています。

起きがちなこと

場面別の起きがちなこと

  • 免責を強く書いたつもりが、全部免除の型になり、書面の信頼性ごと下がる。
  • 「異議を述べない」「いかなる請求も行わない」を、結果への不満の全部に及ぶ書き方で並べる。
  • 上限額を定めたが、故意・重過失の除外を書いておらず、3項や2号・4号の観点で問題になる。
  • 申告漏れの結果を全部利用者の負担とし、事業者側の確認義務を書かない。
  • 通常の反応を並べただけで、範囲を超えたときの対応が書かれていない。
  • 人身と財産を同じ強さで免責し、人身の部分が特に効かなくなる。
  • サルベージ条項を置いたことで安心し、本体の条項の範囲を見直さない。

書き換えの確認チェック

  • 「一切の責任を負わない」の文言が残っていない。
  • 上限や一部免除には、故意または重大な過失の場合を除く旨がある。
  • 原因別(通常の反応、申告、指示、第三者、不可抗力)に責任の置き場所が分かれている。
  • 人身の損害は、財産の損害より免責を弱く書いている。
  • 事業者の確認・説明・緊急時対応の義務が併記されている。
  • 条項が独立した単位に分かれ、一部無効の場合の定めがある。

よくあるご質問

免責条項で、賠償額に上限を設けてもよいですか。

設けることはできますが、消費者との契約では、故意または重大な過失による場合には上限が適用されないことを条項の中で明らかにする必要があります(消費者契約法8条1項2号・4号、3項)。人身の損害を上限の対象から外す書き方も、検討に値します。

「通常の反応」は、どこまで書けばよいですか。

反応の種類、通常の程度、続く時間の目安、範囲を超えたときの連絡と対応を書きます。範囲を超えた場合の対応まで書くと、通常の反応に限って責任を問わないという意図が明確になります。

申告漏れの結果は、利用者の負担にできますか。

申告の不備によって生じた範囲の結果を負担とする書き方は可能ですが、事業者が気づけた事情まで含める書き方や、事業者の確認義務を書かない書き方は、問題にされるおそれがあります。申告と確認を対にして書きます。

サルベージ条項(読み替え条項)を入れれば安心ですか。

安心とは言えません。一部免除の条項が、重大な過失を除く過失による行為にのみ適用されることを、条項自体で明らかにしていなければ、8条3項の無効の対象になります。読み替え条項は補助であり、本体の範囲の限定が基本です。

人身と財産で書き分けるのは、なぜですか。

身体の損害は影響が大きく、免責の範囲を狭くとる考え方が一般的です。身体の損害まで一括で免れさせる書き方は、消費者契約法や公序良俗・信義則の観点で効力が認められにくい方向に働くと考えられるため、財産の損害より免責を弱く書きます。

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